きっかけは、一枚のチラシでした。──「SUNS AND COOK」誕生のはなし
日本サンダインが立ち上げたキッチンブランド「SUNS AND COOK(サンズアンドクック)」。まもなく3周年を迎えるこのブランドは、実は「ブランドを作ろう」として始まったわけではありませんでした。
立ち上げに関わった3人が、誕生のきっかけから、ブランド名とロゴに込めた想いを語っているようなので、聞いてみましょう。
始まりは、まな板のチラシだった
── そもそもこのブランドを作ろうと最初に言い出したのは、誰だったんですか?
東 :実は最初、ブランドを作るつもりはまったくなかったんです。もともとブランドには興味があったんですけど、濱田さんにご連絡した目的は別で。まな板のパッケージ……というか、正確には商品に入れていたチラシを変えたい、というご相談でした。
濵田:そうそう。最初はパッケージじゃなくて、フライヤーでしたね。
東 :商品が透明のPP袋に入っていて、そこに一枚もののペラっとした紙が入っているだけだったんです。ネット通販でたくさん売っていくために、まずはそのビジュアルを変えようと。それでデザイン会社をいろいろ探して、直接お打ち合わせができるように、車で行ける範囲で何社か回りました。
── その中で、濵田さんに決めた理由は?
松本 :一番親身に話を聞いてくださって、かつ、率直な意見を言ってくださったのが濵田さんでした。「この紙一枚を変えるだけでは、大きな変化にはつながりにくいかもしれませんね」って。
東 :デザイナーさんの目線ってすごいなと感じたことを覚えていて、すごくそれが妙に納得したんですよね。そこで思い切れたんです。もともと社内でも「将来的にはブランドを作りたいね」という話はあって。商社の立場だけでなく、うちにしか出来ないことをするということも課題だったため、じゃあ、うちで思いっきってブランドを作って運営しよう、と。濵田さんが背中を押してくれた部分は、すごく大きかったです。
松本 :それに、せっかく濵田さんにデザインを考えてもらうなら自分たちが思い描く「いいもの」をゼロから作りたい。それで2回目にお会いしたときに「ブランドにしたいんです」とお伝えして、そこからのスタートでした。
5つの候補から生まれた「SUNS AND COOK」
── ブランド名は、どうやって決まったんですか?
松本 : 「まずはブランド名から決めましょう」ということで、弊社のことをいろいろとヒアリングしていただいて。候補はA案からE案まで、5案出していただきました。
── 当時の候補案は毛色の違う候補が並んでいますね。
濵田:いろいろと迷いました。でも消去法で考えていくと、和風に寄りすぎるるのも違うし、短い単語はサイト検索で引っかかりにくい。最終的に2案まで絞られて、コンセプトの筋が通っていて、サンダインさんとのつながりも明確だった「SUNS AND COOK」に決まりました。
松本 : 「SUNS」は、サンダインの「サン」。晴れ、太陽、明るい日向のようなイメージです。複数形の「S」には、仲間たちというニュアンスもあって。5案の中でこれだけが、サンダインとの関係性がはっきり込められていたんです。みんな「これだよね」と、すごくしっくりきました。
ロゴ ── 洗練とあたたかさのあいだ
── ロゴは、どんなことを考えてデザインされたんですか?
濵田:まず、置かれるお店のことを考えました。洗練されたライフスタイルショップにも並ぶことを想定していたので、品が良くて高級感がある、「ほっこり優しい」だけじゃない、ちょっとシュッとした感じが必要だと思ったんです。
それから、どういう人が使うのかをずっと考えていて。まな板って「木が一番いい」とされているじゃないですか。私も木のまな板は好きなんですけど、サンプルをお借りして使ってみて、気づいたんです。木のまな板のお手入れって、実は心の奥底でプレッシャーになってるな、って。
── ああ、わかります。
濵田:丁寧な暮らしに憧れてはいるけれど、実際は忙しい。そういう人こそ、本当はこういうまな板を使いたいんじゃないかと思ったんです。忙しいママさんや、バリバリ働いている女性たち。機能面と情緒面、その両方を満たすまな板だからこそ、柔らかすぎない、洗練されたマークがいいなと考えて、デザインしました。
東 :このマーク、実は「S」「&」「C」の頭文字が全部入っているんですよ。それでいて、丸の部分にあたたかみがあって。キリッとしすぎていないところが、すごくいいなと思いました。今でも気に入っています。
松本 :丸は、太陽のイメージなんですよね。最初に「この丸は何ですか?」と聞いたら「太陽です」と。日が差して、私たちを明るく照らしてくれるような。ブランドの意味が全部、このマークにぎゅっと詰まっている。うちの社長も、今でもよく言うんです。「あのロゴはいいよね」って。
濵田:商品に小さく刻印されることも想定していたので、小さくしても可愛い、というのは意識しました。
── 立ち上げから3年経ってみて、どうですか。
東 :もうすぐ3年になりますが、改めて、すごくしっくりきているなと感じます。愛着というか──もう、可愛いんですよ。ブランドが(笑)。
濵田:中身がいいからですよ。商品が良ければ、ロゴもどんどん良く見えてくるものなので。
これからの、SUNS AND COOK
── これから、ブランドとしての目標はありますか?
松本 :まな板から始まって、包丁、洗剤とアイテムが増えてきましたが、これからもっと増やしていきたいです。そして、「キッチンのブランドといえば、SUNS AND COOKがあるよね」と、ふと思い出してもらえる存在になりたい。まな板を新調したいとき、引っ越したとき──そういうときに、ふっと思い浮かぶブランドに。
東 :僕は、個人的な夢があって。実は仲のいい友達にも、このブランドのことはほとんど話していないんです。なぜかというと、ふと友達の家に遊びに行ったときに、うちのブランドの商品が置いてあったら、めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。
── 何も言っていないのに、置いてあったら(笑)。
東 :そうなんです。周りの人が、知らず知らずのうちに使ってくれていたら。それがひとつの夢というか、目標です。
── SUNS AND COOKらしさって、どんなところにあると思いますか?
松本 :自分のために使うのはもちろんですけど、見た目もパッケージも可愛いので、ギフトにもぴったりなんです。誰かに贈りたくなる、集めたくなる。そういうブランドになってきているのかなと思います。
東 :だからこそ、商品開発はこれからもどんどんやっていかなきゃいけないなと、今日話していて改めて思いました。可能性しかないなと(笑)。
── ありがとうございました。予定時間を大幅にオーバーしてしまいましたね。
東 :うちが一番可愛いですから、話すと長くなるんですよね(笑)。
そういえば、なんでブランドの最初の商品がまな板なのか……
話はまだまだ終わりそうにありません。この続きは次の機会に。
